―理事長 兵藤芳朗さんと鎌倉地域支援室 鈴木夏華さんにお話をお伺いしました。
理事長:ラファエル会は、1984年に障害がある子を持つ親など、福祉を志す有志が集まって“統合”を理念として発足しました。
障害者への偏見も強かった当時、鎌倉市深沢に統合療育センターを開設してクッキーづくりも始めましたが、周辺の理解を得ることができず、なかなか恒久的な施設は持てなかったと聞いています。そんな中、1993年に相模原市に土地を得て、ようやく開設したのが障害者支援施設「藤野薫風」です。
その後、鎌倉市と相模原市に障害者向け、高齢者向けサービスを行う事業所を開設し、現在20を超える施設を運営しています。
熱い志を次の世代へ
理事長:今は先人が敷いてくれたレールに乗って事業を行っていますが、事業を立ち上げた当時の熱い思いを次の世代に繋げていくことも我々の使命です。
ご利用者はもちろん、設立の動機の一つとなった“ご家族の安心”を大事にしたいと思っています。
職員を大切にする法人でありたい
―貴会のこだわりを教えてください。
理事長:職員を大事にしなければ、ご利用者を支えられないと考えています。そのため、職員を大切にし、安心して働き続けられる法人でありたいと思っています。例年、職員との懇談会を20~30回は開催し、意見交換を行っています。いろいろな課題・問題が提起されますが、法人としての志を共有する良い機会になっています。
―これから特に力を入れていきたいことを教えてください。
職員にとって魅力ある職場づくり
理事長:職員がキャリアアップするための研修や資格取得の費用補助、処遇改善、職場環境の整備などに取り組んでいます。職員にとって魅力ある、誇りが持てる、勤めて良かったと感じてもらえる法人となるよう、さらに力を入れていきたいです。
地域との共存
理事長:もう一つは、地域との共存です。すでに相模原市藤野地区では、地域とコラボレーションし、高齢者の生活の足となるミニバス「いくべぇカー」の運行をしています。また、お祭りの設営や施設整備に地域の方のご協力をいただくなど、とても良い関係を築けています。同地区に建設中の新たな施設においても、ソフト・ハードの両面で、地域の方が集える場となる仕掛けをしていきます。
今後は、鎌倉エリアにもこのような協働の輪を広げていきたいと考えています。
―次に、鈴木さんにもお話を伺いたいと思います。現在のお仕事内容を教えてください。
鈴木:働き始めて18年になりますが、今は相談支援専門員をしており、障害がある方の相談や、生活の組み立てなどが主な仕事です。病院など現場に同行することも多く、事業所へは出たり入ったり、バタバタとしています(笑)。
―このお仕事に就かれた経緯は?
鈴木:ラファエル会の障害者施設で、クッキーづくり補助の短期アルバイトをしたことがきっかけです。
一人のご利用者のためにいろいろな人が集まって、一生懸命その人の言葉や行動、思いについて話し合うということが、それまでの自分の経験にはないことで、良い意味で衝撃を受けました。これを突き詰めたらどんな結果が待っているのだろう、という興味がこの業界に入る動機となりました。
必ず誰かの勇気になる
―そこから長くお仕事を続けてこられた理由はどんなところにありますか。
鈴木:自分の人生経験や感性が、誰かの役に立つ。必ず誰かの勇気になり、相手の人生を良い方向に変えることができる、ということがこの仕事の魅力で、続ける力になっています。
―多くの人と関わって仕事をされているかと思いますが、職場はどんな雰囲気ですか。
鈴木:職場はベテランが揃っており、お互いの意見、経験を尊重しながら、アドバイスし合える関係です。大きな声で笑い、大きな声でしゃべる人ばかりなので、ピリピリせずに率直な意見をぶつけ合いながら、良い雰囲気で仕事ができています。
働きやすい職場へ
鈴木:先ほど理事長から「働き続けられる法人へ」という話がありましたが、実際、改善されています。例えば、時間単位で休みが取れるようになり、子どもの授業参観などに参加しやすくなりました。また、残業するときはその理由を客観的に説明することで、残業時間が増えたり仕事が人に偏ったりすることを防げています。
明るく前向きな人、思いやりのある人
―最後に、お二人にどんな人材を求めているかお伺いします。
鈴木:明るく前向きで、自分の気持ちをごまかさず、分け隔てなく他人の感性を尊重できる人に来ていただき、現在の職場の良い雰囲気を共有したいです。
理事長:介護や支援はとかく大変な仕事と言われますが、働いてみると楽しさや、やりがいが実感できると思います。
ラファエル会では、福祉の経験を問わず、介護・支援に興味がある人材を求めています。思いやりがある、他人の痛みが感じられる方、大歓迎です!ぜひ私たちと一緒に仕事をしてみませんか。